論文執筆計画
2021/1/14
2020/9/22
自分の作品(バスラッピングのグラフィック)の完成度に納得してはいたが、否定されるのが怖くてきちんと作品についての説明をしなかった【逃避】。もちろん、デザイナーとして参加させていただいている以上、作品には責任を持っているし、中途半端なものづくりをしたつもりはない。それなのに、きちんと説明できなかったのは、自分は他者に伝えること(特にプレゼン形式で)がとても苦手であり、うまく伝えられないことや全て伝えた上で根本的な部分を否定されることが怖かったことが原因だったのだと思う。
私はゼミ終了後、きちんと説明しなかったことを後悔した。きちんと説明しなかったせいで、具体的にどの部分が物足りなかったのか、なぜ納得できないのかを先生から十分に聞き出せなかった。結果、「中途半端なものを世の中に出してしまったのか…」という後悔だけが残るという、非常に後ろ向きな振り返りとなってしまった。今振り返ると、デザインを学び始めた学部2年生の時からずっとそうだった。
では、前向きな振り返りはどうすればいいのか。まずは、勇気を持って自分の作品について丁寧に語らなければならないだろう。当たり前のことだが、私にとってはかなり勇気のいることで、伝える技術が求められる。その上で、自分にはなかった「その人ならではな視点・着眼点」を聞き出し、自分のものにするというのが、前向きな振り返りになるのではないだろうか。
前回のゼミではパスが実際に函館を走行しているところや、走行中のバスをみた人の感情についての視点があまりなかったことなどに気づくことができた。しかし、まだ少し抽象的で、原田先生だったら、具体的にどこをどうしていたのかというところまでは聞き出せていない。先生ならどうしていたのか、どんなところに着目してものづくりをしているのかを聞き出すことが、前向きな振り返りにするために必要なことであると思う。そして、そこまで聞き出すために、作品とデザインプロセスを丁寧に伝えることが必要であるのだと感じた。
今回のバスラッピングのデザインプロセスも、ムナーリの「企画設計の図式」に当てはめて整理してみた(まだメモ段階)。すると、プレゼンが苦手な自分でもうまく整理できてきている気がする。この方法でまとめてみると、デザインプロセスについてのアドバイスをもらうために、本当に伝えるべきところがわかってきた気がする。
これまでは、1日ごとのレポートを並べ、そこからプレゼンを作っていたため、ついつい時間がかかったところの話が多くなる。時間がかかったところというのは、作業についての話が多く、「なぜそうしたのか」という根拠や考え方などの、本来伝えるべき話は別にあることが多々ある。そのため、結局細かく記録を残しても「前向きな振り返り」にはつながらなかった。一方、ムナーリの図式で整理すると、時間の量ではなく、内容で区切れるため、説明に必要な要素が整理できてきている。
次回のゼミ&学会に向けて、ムナーリの図式でデザインプロセスを視覚化し、バスラッピング作品をプレゼンする。その上で、デザインプロセスや作品についてのアドバイスをもらい、前向きな振り返り方法を探る。